備忘録

日記っき

「密やかな結晶」を読んだ

 

 

小川洋子さんの作品はこれで2冊目、というのも学生の頃に「博士の愛した数式」を読んで以来かなという。 

 

 

文章も柔らかく優しい話だったイメージがあったのですが、多分数式が異色だったんだなとすぐ思い知らされた。

凄い静かに話は進んでいくし、きれいな言葉なので一見気付きにくい残酷さがボディブローのようにじわじわ効いてくる感じ……語威力がなさすぎか?

 

静かな異常というか狂気があって恐ろしいんだけど気付いたら虜なんですよね本の世界にね面白いんだわ……
あと文章の雰囲気、うわ~~好み!真似したい!というところもあって読んでよかったなという気持ち。

 

どこかのレビューでもみたけど、どこか知らない国の異国さも感じられて洋画好きとしてはドツボでした。他の作品もそうらしい。いいね。
日本の匂いがしない、っていうのは現実が嫌いな私にとってはありがたいのです。

 

内容としては

記憶を持つ人の叫びと、持たない人の差のしんどさ
主人公が持たない側なのでR氏との対比だったり、母親との昔話だったりとぐさぐさ刺さるわけですよ。読者は消失しない世界の人間だから余計に。
あとおじいさんがいなくなった時ぽっかり心に穴が開いた、フラグはめっちゃ立ってたしわかってたけど。ドンはかわいらしい。
小説内小説も最初は不思議な話だと思ってたら消失に合わせて一気に不穏になったのには勘弁してぇ~~~ってなった。
小説消失後に小説を書こうとして搾り出した一文がきちんと拾われててどきどきしちゃった……こういうの好きだ……

 

という語彙力のない感想でした。

 

読むのに気力が必要だったのでまた間空けてから次の本を買おうと思います。好きな作者が増えたよやったね。