ムーミン谷の冬を読んだ
南の島育ちなので冬がめっぽう苦手です。上京して10年以上経つけどやっぱりダメ。毎年ひーひー言ってる。
そんな寒い冬が苦手な私でもなんとなく雪の日はテンション上がります。だって地元は全く降らない地域だったし。
ムーミンはフィンランドの話なのですが、冬が描かれているのはこの本だけらしいですね。なんか意外。そして私はアニメを一切見た事無く、数年前に「ムーミン谷の彗星」を読んだきり。彗星も結構暗い話で終末観が凄くイメージしてたのとかけ離れていて引きこまれた記憶がある。
寒い日に読みたい本、で適当に探していたらこれにあたったので読んだ次第です。
あらすじとしては
ムーミンが冬眠途中で目が覚めてしまい、春が来るのを待つ話です。
冬にしか出てこない、出て来れないというのが正しいか。そういう目に見えない者たちとの出会いが描かれています。
フィンランドって極夜があるんだったなと読んでて思いだした。ムーミンがしきりに太陽が恋しいといってるのも頷けた。文字の端々から感じる暗い冬、でもなんかどことなく不思議な感覚で怖くはない。冷たいんだろうけどどこか違う。でも春が待ち遠しいなんて思う。
ムーミンの語り口がそう思わせるのか、はたまたミィのおかげか。おしゃまさんのおかげか。わからないけど最後までふわふわとした気分で読めました。
好きな一文
自分のあたたかい鼻の上に、つぎつぎに雪がのっかっては、とけていきます。(中略)綿毛よりもやわらかく、ふわりふわりと、おちてくるのをながめていました。
(雪って、こういうふうにふってくるのか。ぼくは、下からはえてくるんだと思っていたけどなぁ)
初めて雪を見た時のことを思い出した次第です。
読み終わって冬もどことなくいいのかもしれないなと思った。定期的に読みたい本仲間入りです。