備忘録

日記っき

戯曲を読んだ話

 

 

戯曲をこうやって読むのは初めてかもしれない…というか避けてきていたというのもある。
高校時代演劇部のくせしてト書きを読むのがちょっと苦手なのはどうかと思うけどな!

ロシアってだけで少し身構えてしまうのもいかんのですが、なんたってロシアっていったらドストエフスキーぐらいしか読んだことないからな!
しかも新訳というね、新訳でも充分に詰め詰めで読みにくかった…1ページの密がずっと続くんだ…

さておき、何もかも初挑戦ジャンルなのでどうしたものかと思いつつ。
当時のロシアの世相というかその辺がわかっていないと難しいなと感じつつもそういうものだなと受け入れつつ読みました。
出だしはト書きの名前と本名のかけ離れすぎ問題で何度も登場人物ページに戻っては本編へを繰り返して、この子がえっと?前妻の娘で??こいつがその伯父で?なに??

読むだけで舞台を見ている感じ(当たり前体操)になったのがよかった
文章を脳内で映像化するタイプなのでめっちゃすーっと入ってくる、ただ始めのほうはこの人は誰でという把握が必要なのでそこだけ時間かかっちゃうけど一度見た目が造形されイメージが完了したらあとはきれいに動いていくので…
あと口語が読みやすい文章だったのが意外でしたね、新訳パワーなのかそもそも戯曲ってこういうものだからか。どちらにせよ入り口として適してた。

いきなりいい天気だから首吊りたいなとか言い始めるおじさんがいるので何で!?とはなりました
凄い死にたがりか…ってなった。モルヒネを医者の鞄から取っちゃうし銃で死ねなかったとぼやいてたら「今度は額にあててから引き金を引け」とか言われてるし
どんなことがあっても私たちは生きなきゃいけないのよ、というエンドで。

こういうテイストか…と思いながら続いて三人姉妹を読む。

今度この三人姉妹を友人が舞台でやるとのことで、その予習も兼ねて。
どの役やるのかな~いい役頂いたっていってたので多分三姉妹の誰かだな~(当たり前体操)と想像しながら読んでいました。
結局何役か解らないまま話が終わったのでそっと本番まで楽しみにしておこうかな…

 

千年経ったって人間は相変わらず、「ああ、生きてくのがつらい!」と溜息をついてることでしょう。それに、死を怖がって、死ぬのをいとう気持ちも変わらないのでしょうね。

 

いつの世もこういう気持ちは変わりないな、と唸った次第です。
決して明るい話ではないのでオチもそうなの…みたいな顔をしちゃうんですけど
ワーニャ伯父さんのヒットを受けて書いたというのを、読み終わってから知ったので
なるほどなぁ~という気持ち
うまいこと感想が出ないな…

勢いよく読めたので嫌いな部類じゃないけど「何が言いたかったのでしょうか?」って問われたら「それでも強く生きねばならんのだ」としか言えない…
台詞の言い回しは訳者の好みだろうからそこは私とマッチしてたかもしれない、しかしながら陶器の時計を割ったときの「テケレッツのパー」が落語の死神じゃん…となったのはね、訳者あとがきにも書かれてたけどさ。突然びっくりした…世界観…ってなった