備忘録

日記っき

そして、遺骸が嘶く 感想

今日読んだ本!

ひっさしぶりに良い本読んだ~という気持ちになりました。
これも友達がいいよ~と言っていて気になってた作品です。別の本を買うついでにあれこれ見てたら発見。ぱらぱらと冒頭を読んでこれ好きなやつだなと即座に確信し買いました。

 

 


ある世界で戦争が起き、その戦争後の話
主人公は軍人で戦死した人の遺物を家族に届けるという役割。

映画を観ている感覚に陥った。あと章立てがお上手…主人公の過去話は最後に入ってくるんですがうまいことね…しんどい感じになってくるんですよね・・・

個人的好き(しんどい)ポイント
序章の雰囲気から既に寂しさ全開
1章の「死とは、うちに帰れなくなることなのだと」で泣き散らかした。天才の文章だ。戦争がなければきっとこの兄弟は仲良く過ごせたんだろうな…
2章、死んだ先で好きな人と幸せに過ごす。きっと過ごせている。死ぬのは怖くないって引き金引く彼女があまりにも強すぎて泣いた。オルゴールを握り締めて死んだ彼もしんどい。
3章、生きて戻ってきた兵士の話。親子関係が崩れているのが解ったときにはうわうわうわってなった。なんで父親にプレゼントしたものを捨てられて喜んでるんだろう…って思ってたら。性的虐待もあってつらさが最高潮だった。3人目の父親は自分のことを見てほしいのに、1人目のクズ親を息子は見続けてるのほんと。「もうすてないで」でぼろくそないた
4章 ベーゼがついた嘘があまりにも優しくて、文字が読めないというキャスケットの設定がここで活きてくるのあまりにも。二人のすれ違いが心にぐさぐさくる。手紙を燃やそうとしたところで叫ぶキャスケットのとこ読んでて心めためたにされた。あとここでキャスケットの生い立ちも、誰も何も教えなかったというのも。色んな要因が重なってああいうふうに育ったみたいな感じになってて読んでてむごすぎるなんでってなった。

決して明るい話ではないんだけど、読んでよかったなと思う本。今年1かもしれない。
普段ミステリばっかり読んでるので新鮮な気持ちで読めたのも大きい。
続きは難しいかもしれないけど、もしあるなら読みたいよね。