備忘録

日記っき

「昨日星を探した言い訳」を読んだ

 

昨日星を探した言い訳

昨日星を探した言い訳

  • 作者:河野 裕
  • 発売日: 2020/08/24
  • メディア: 単行本
 

 

大好きな河野先生の書き下ろし長編
しかも恋愛小説と来た、私は恋愛小説が正直苦手である。

 

カドブンで新連載が決まった時に「先生の新しい話がリアルタイムで読めるなんて最高か」と思っていたのですが。どうにも出だしの雰囲気があわずに頓挫する始末。
完結して文庫本の書影が発表されたときにめちゃくちゃいい表紙!と感動。電子書籍限定の読みきりにも惹かれ紙、電子と2つの媒体で購入。
(というか他の作品も媒体2つで買ってるし、新装版が出たら又もう一度買ってたりするぐらいにはお気に入りの作者です。本を買って応援するんだ私は)

で、積みに積んでこのタイミングになりました。
しかも直前まで階段島を読み直すか、別の積本を読むかで若干迷ってたという

無意識にしている差別、倫理の押し付けを感じてうんうんと唸ってしまった。
やもりんと呼ばれていた時の話でようやく坂口が抱いた怒りを理解してなんてこったと頭を抱えた。
橋本先生との対話で坂口が言いたかったこと、なんとなくぼんやりしてただけにちょっと頭殴られた感じした。行間……
「緑の眼を黒く塗りつぶされていた時に抱いた感情を勝手に推測して苦しむ」ことが倫理の押し付けと言うか。そういうことなんだろうなと。私はそう感じた。

今までの主人公たちのようにどことなく口少ないのは同じだけど誰よりも人間臭いなと感じて好感度は高い。
トランシーバーで二人だけの「イルカの唄」を作り上げていくシーンほんと好きだ、なんなら演劇のシーンも読みたかったな!!

茅森の憧れを汚さないためについた嘘、というか。あの二人が仲違いするとこ読んでてはちゃめちゃにしんどかった。
その分25歳の再会で「8年待たせたんだから30分ぐらいいいでしょ」と100個嫌いなところあげるとこほんとなぁああニヤニヤした。凄い良いぞあれは。うわぁあって転がってしまった。デレが強い。

後半にかけてのまとまり方が凄いので最初なんだろうな…?と思いながら読んでも読みきってほしい。そんな本です。私は知らんうちに世界観に引き込まれてたけど。
この作品で改めて先生の凄さを作品で感じたのでこれからも応援します。

ムーミン谷の冬を読んだ

南の島育ちなので冬がめっぽう苦手です。上京して10年以上経つけどやっぱりダメ。毎年ひーひー言ってる。
そんな寒い冬が苦手な私でもなんとなく雪の日はテンション上がります。だって地元は全く降らない地域だったし。

 

新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

 

 

ムーミンフィンランドの話なのですが、冬が描かれているのはこの本だけらしいですね。なんか意外。そして私はアニメを一切見た事無く、数年前に「ムーミン谷の彗星」を読んだきり。彗星も結構暗い話で終末観が凄くイメージしてたのとかけ離れていて引きこまれた記憶がある。
寒い日に読みたい本、で適当に探していたらこれにあたったので読んだ次第です。

あらすじとしては
ムーミンが冬眠途中で目が覚めてしまい、春が来るのを待つ話です。
冬にしか出てこない、出て来れないというのが正しいか。そういう目に見えない者たちとの出会いが描かれています。

フィンランドって極夜があるんだったなと読んでて思いだした。ムーミンがしきりに太陽が恋しいといってるのも頷けた。文字の端々から感じる暗い冬、でもなんかどことなく不思議な感覚で怖くはない。冷たいんだろうけどどこか違う。でも春が待ち遠しいなんて思う。
ムーミンの語り口がそう思わせるのか、はたまたミィのおかげか。おしゃまさんのおかげか。わからないけど最後までふわふわとした気分で読めました。

好きな一文

自分のあたたかい鼻の上に、つぎつぎに雪がのっかっては、とけていきます。(中略)綿毛よりもやわらかく、ふわりふわりと、おちてくるのをながめていました。

(雪って、こういうふうにふってくるのか。ぼくは、下からはえてくるんだと思っていたけどなぁ)

 

初めて雪を見た時のことを思い出した次第です。
読み終わって冬もどことなくいいのかもしれないなと思った。定期的に読みたい本仲間入りです。

戯曲を読んだ話

 

 

戯曲をこうやって読むのは初めてかもしれない…というか避けてきていたというのもある。
高校時代演劇部のくせしてト書きを読むのがちょっと苦手なのはどうかと思うけどな!

ロシアってだけで少し身構えてしまうのもいかんのですが、なんたってロシアっていったらドストエフスキーぐらいしか読んだことないからな!
しかも新訳というね、新訳でも充分に詰め詰めで読みにくかった…1ページの密がずっと続くんだ…

さておき、何もかも初挑戦ジャンルなのでどうしたものかと思いつつ。
当時のロシアの世相というかその辺がわかっていないと難しいなと感じつつもそういうものだなと受け入れつつ読みました。
出だしはト書きの名前と本名のかけ離れすぎ問題で何度も登場人物ページに戻っては本編へを繰り返して、この子がえっと?前妻の娘で??こいつがその伯父で?なに??

読むだけで舞台を見ている感じ(当たり前体操)になったのがよかった
文章を脳内で映像化するタイプなのでめっちゃすーっと入ってくる、ただ始めのほうはこの人は誰でという把握が必要なのでそこだけ時間かかっちゃうけど一度見た目が造形されイメージが完了したらあとはきれいに動いていくので…
あと口語が読みやすい文章だったのが意外でしたね、新訳パワーなのかそもそも戯曲ってこういうものだからか。どちらにせよ入り口として適してた。

いきなりいい天気だから首吊りたいなとか言い始めるおじさんがいるので何で!?とはなりました
凄い死にたがりか…ってなった。モルヒネを医者の鞄から取っちゃうし銃で死ねなかったとぼやいてたら「今度は額にあててから引き金を引け」とか言われてるし
どんなことがあっても私たちは生きなきゃいけないのよ、というエンドで。

こういうテイストか…と思いながら続いて三人姉妹を読む。

今度この三人姉妹を友人が舞台でやるとのことで、その予習も兼ねて。
どの役やるのかな~いい役頂いたっていってたので多分三姉妹の誰かだな~(当たり前体操)と想像しながら読んでいました。
結局何役か解らないまま話が終わったのでそっと本番まで楽しみにしておこうかな…

 

千年経ったって人間は相変わらず、「ああ、生きてくのがつらい!」と溜息をついてることでしょう。それに、死を怖がって、死ぬのをいとう気持ちも変わらないのでしょうね。

 

いつの世もこういう気持ちは変わりないな、と唸った次第です。
決して明るい話ではないのでオチもそうなの…みたいな顔をしちゃうんですけど
ワーニャ伯父さんのヒットを受けて書いたというのを、読み終わってから知ったので
なるほどなぁ~という気持ち
うまいこと感想が出ないな…

勢いよく読めたので嫌いな部類じゃないけど「何が言いたかったのでしょうか?」って問われたら「それでも強く生きねばならんのだ」としか言えない…
台詞の言い回しは訳者の好みだろうからそこは私とマッチしてたかもしれない、しかしながら陶器の時計を割ったときの「テケレッツのパー」が落語の死神じゃん…となったのはね、訳者あとがきにも書かれてたけどさ。突然びっくりした…世界観…ってなった

「ナイルに死す」を読んだ

映画の予習のために読むぞ!と意気込んだのですが2021年2月現在
上映日が確定しておりません、おのれコロナめ…

 

 

クリスティは「そして誰もいなくなった」を読んでから駄々はまりしてしまい
有名どころである「オリエント急行殺人事件」「ABC殺人事件」を立て続けに読み
これは全部読みたいなぁと思い「スタイルズ荘の怪事件」から順番にゆっくり読んでいます。「アクロイド殺し」に手をつけたところ。ペースが遅い。

本当は読まずに映画観ようとしてたけど「読んでから観たほうが絶対いい」というついったらーの意見を見て買ったというのもある。
映画好きなので原作と比べてどう表現するのかな?という楽しみもあるんですよね

(ケネスブラナー主演のオリエント急行殺人事件、映画館で観たのですがうわー豪華凄い!と興奮した後に最後に「ナイルに死す」を匂わす発言が出たのであっ続編決まりそうとわくわくしてたら本当に決まってたね)

実のところ「そして誰もいなくなった」を読むまで映像化なんでこんなにされてるのか解らなかったマンなのですが、読んだら解った。めっちゃ情景浮かぶもんな…日本語訳丁寧だよね、英語全然出来んから確固たる事いえないけど。


前置きが長くなった
豪華客船に集まった人達、一見きらびやかなんですが一癖も二癖もある。
そのなかで明らかに殺人事件の火種になりそうな人もいていつ事件が起きるんだ…とドキドキしながら読んでました。

事件解決の際に、殺人事件とは別の事象をキレイに取り除いてから始まるのがよかったなと。
えぇあの人がそんなことを?とか色んな情報が溢れ出すぎてた、あと解決までがあっという間すぎて。読み終えた後に伏線を再度確認しに行きたいところなんですが、電子書籍のいかんところはそれがどのページであったかの確認が非常にしにくいところです。
多分そのためのハイライト機能なんだろうけども、これをオンにすると確実に読みながらネタバレをくらうのでオフにしちゃってるのが裏目に出ている…

好きな文

「いえ、それよりもっと重大な事です。あなたの心を悪魔のために開かないでという意味です」

(中略)

ポアロは重々しい調子で続けた。「なぜかと申しますとーーもし、あなたが心を開けばーー悪魔が入ってくるからです……ええ、たしかに入ってきます。入ってきて、あなたの心の中で巣をつくります。しばらくしたら、絶対に追いだせなくなってしまうのです」

読み終わった後にあぁちゃんと止めようとしてたのにな、みたいな気持ちにじわじわとなった。

映像でどう表現されてるか楽しみになってきたなぁ
はよ自粛しなくてもいい世の中になってくれ~~

戯言

みなさん推しいますか。私はいます。


最近の推しの活動はめざましい。テレビ出演も明らかに増えているし、劇場配信もオンラインチケットを購入したら見れる状況、更新回数は少し減ったけど週5日は更新されているYoutubeチャンネルもある
毎日飲み込まれるほどの情報に溢れている。

 

昨年の7月に追うと決めた時から、なるべくの情報は逃さないようにと過ごしていたのですが。

自分のペースで追いたい!!+時間も金もねぇ!!という気持ちが強くなってしまい
今配信を買うのをやめていたり、Youtubeチャンネルも気が向いたときしか再生しない。そんな生活真っ只中です。
推しに金は落としたいが、配信全て買うと財布どころか家庭が崩壊しそうなのでどうにかこうにか我慢しているというのも事実。財政難を言い訳にしたくねぇ~~でも実際そうだ~~うお~~
財政難とかいいながら、グッズが出たときは全てカートにいれるアホみたいなことをして、いざ値段見てひっくり返ったけどそのまま購入ボタン押しました。落とすべきところだと思ったので。

 

今度久しぶりに現地、今年一発目なのですけど。
コロナの影響もあり本来行きたかった公演は軒並みオンライン配信へ切り替え。現地行って大丈夫か??私大丈夫か・・・?という状態にもなっている。

会いたくないわけじゃないんだけど。気持ちが乗らん。
えっもしかして推しのこと嫌いになった?と心配になったりするけど毎日ツイッターで推しを見て「あ~~!!!!」と叫んでいるので大丈夫だと思います。多分。

 

そんな気軽な推し方でもいいよ、って誰かに言ってもらいたいだけなんですよね私の場合。だから誰かそっと背中を押して下さい。こんなんでもファンを名乗ってもいいよって言ってください。
公演全て買って、出演情報もくまなくチェックして、チャンネルの配信をリアルタイムで見て、推しにリプを送らなくてもファンを名乗っていいよって。だれか。

出かけたらゴーストタウンになりかけていた

眼鏡を新調すべく池袋まで出たのですが
サンシャイン通りに面するお店、空き店舗がめちゃくちゃ多くなっていました

ケンタッキーも、松屋も、ゲーセンも撤退している。
まじかぁ、飲食店きついんだなぁと心配になりつつも。いきつけのラーメン屋は2件とも行列が出来てて少し安心、久しぶりに食べた塩ラーメンはやはりしょっぱかった

4年ぶりぐらいに眼鏡を変えることになったのでずっと鏡とにらめっこしていたのですが細いフレームだと途端にババァになっちゃう顔ということが判明したので
おとなしくフレーム太目の今のとあまり変わらないものになりました
あと乱視がひどくなっているようです、むむ。

今使っている眼鏡を渡したらネジを回してもらえたようで、少し楽になりました。
あと10日ほどですが宜しく頼みます。

「神様が殺してくれる」を読んだ

新年からキンドルを開くと今年の読書目標を立てましょう!と
出たものだからとりあえず10冊にしておきました

 

神様が殺してくれる (幻冬舎文庫)

神様が殺してくれる (幻冬舎文庫)

 

 

今回はタイトル買いです。この本の存在そのもの知らなかった…
森作品既読はS&Mシリーズと百年シリーズ、Vは途中頓挫。Wは途中でわざと止めてる
あとノンシリーズをほんの少し
スカイクロラは多分しんどくて死にかねないので保留

前情報なしに読み進めていったので大変予想外というか
こういう作品書けるんだ…という気持ちになった。たしかトーマの心臓ノベライズやってたからまぁ書けないことはないんだろうけど

ミステリーとしては疑わしき人が出てくる→会ってみる→翌日殺されてるという話だったのでこれもしかして犯人主人公では…と思い始めていたところでネタ晴らしがくる絶妙な話だった
奥さんとは実は……で、んでもって渦中に美少年がいて…まてまてと思いながらも一気に読み進めてしまった

 

引用にサロメが使われてたのですが
森作品にて引用で知ってる作品が来たの初めてかもしれない・・・
偶然にもサロメを推しが出ていたライブで活弁を通してみたものであぁ~と一方的に感動してた

 

好きな一文

言葉にすると、少しずつ嘘が混ざるような気がする。
本当の気持ちが、どこにあるのか、自分でもよくわからなかった。 

 

こういう断片的に見るとあぁやっぱり森博嗣って感じしますね。
今まで読んだものからの勝手なイメージなんですが登場人物の心境と物言いがどこか遠くにあって。言わば他人事のような感じで物事が進んでいくイメージがあったので。今回はクソデカ感情乗せられるんじゃないですかー!ずるいなと思った次第です

一年の初めに読むには少々向いてなかった気もしますが長さ的には丁度良かったのかも。